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'07年4月17日、NIKKEI Interactiveは燃料電池の実用化が、材料技術の改善により、現実味を帯びつつあると報じている。
私の個人的な観測としては、現在世界で最も燃料電池技術をリードしてるのは、HONDAではないかと思っている。日経が報じているように、HONDAが燃料電池の技術分野で最先端を走ることができているのは、材料メーカーとのタイアップの効果が旨く出ていることにあろう。
燃料電池にはいくつかの方式がある。色々な報道から総合判断すると、HONDAは、その内の樹脂製電解質を利用するPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)タイプの燃料電池を実用化の最有力候補としているようである。
PEFCの材料技術の内、JSRは樹脂製電解質で、住友金属はセパレーターで画期的な技術を発明している。特に私が注目しているのは、JSRの技術だ。これまでのPEFC用の樹脂電解質は、低温度環境下では、セルの始動できないようである。JSRの新技術は、北海道のような寒冷地でもセルを始動させ、走ることができる。
住友金属の技術は、腐食が激しい金属性のセパレーターをコーティング材なしで使うことができる可能性を示し、材料コスト削減に大きく貢献する可能性が高い。
このこれらの新技術開発は、HONDA、JSR、住友金属の株価にも少なからず影響しているだろうし、今後も燃料電池技術に関して新たな技術革新が出るたびに、開発に成功した企業とその技術を実際に使う自動車メーカーの株価は、ポジティブな影響を受けるだろう。
しかし、日経が報じているほどに、本当に燃料電池の技術は実用化の日が近いのか? (追記に続く)
私は、個人的にまだまだ課題は多いと思う。NIKKEI Interactiveの報道では、現在約1億円もする燃料電池車が、2020年ごろまでに、100万円にまで値段を下げることも不可能ではないとしている。では、それを実現するための課題は?
このコストダウンを実現するための最大の課題は、恐らくプラチナ(白金)の使用削減もしくは完全代替だろう。現在、自動車メーカー各社が検討しているどのタイプの燃料電池でも、白金は電極の素材として欠かせない状態である。
ションソン・マッセイ(JM)など、プラチナを供給する側は、ホクホク顔だろう。現在、白金は自動車の排気管の中に入っている排ガス処理装置の触媒機能を発現するために欠かせない材料だ。昨日の投稿で説明したように、2008〜2010年に予定されている更なる厳しいディーゼルエンジンの排ガス規制が始まり、さらに日本の乗用車でも再びディーゼルエンジンが復活するようなことがあれば、白金相場では価格がウナギノボリになっていく可能性がある。もし、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンが燃料電池に切り替わっても、現行のまま白金が燃料電池の電極で使われるのであれば、白金業者は引き続き自動車業界は重要な市場になる。
しかし、HONDAを始め、燃料電池を開発している各社は、白金の使用を大幅に削減するか、プラチナにとってかわる素材の開発を推進している。上記のような大幅なコスト削減のためには、この課題の克服はマストであり、必ず乗り越えなくてはならない課題だ。
現時点では、難題が多い燃料電池であるが、これこそ日本の「ものづくり」に対する情熱や開発力が発揮される可能性が高い分野だと個人的には思う。現実に、ホンダさんやトヨタさんや日本の材料メーカーさんは、常に切磋琢磨を続けている。海外のメーカーが諦めても、是非日本のメーカーさんには頑張ってもらいたいものである。
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