2007年04月20日

カルロス・ゴーン社長が中期的方針語る

 アメリカ訪問中の日産はカルロスゴーン社長が、’07年4月19日、中期的な戦略を語ったようだ。関連記事は以下の通り;

 V字回復ですっかり有名になったゴーン社長であるが、最近の日産さんの業績は決して良いとはいえない。AFP通信も報じている通り、2月の段階で、3月までの1年間の純利益が11%以上減少する可能性があると、利益予想の下方修正を行った。
 AFPが報じているゴーン社長の現在の基本方針は、

 *低価格な小型車の投入
 *ルノー・日産連合の、提携・合弁事業推進
 *環境対策:ディーゼル重視

これらの方針に対する私の意見は以下の通り;

*低価格な小型車

 現在の日本市場のトレンドは完全に小型車だ。私がまだ学生だった80年代や社会人になったばかりの90年代の前半は、まだクーペやカブリオレも結構沢山車種があった。そういった車種はドンドン姿を消し、今の若者にとって、車はもはや憧れの存在ではなく、「移動手段」といった感が強い。当面日本は、大衆向け小型車と富裕層への高級車という両極端を狙うところが多くなろう。
 日産さんにとって、非常に重要な北米市場の場合、従来は中・大型車やピックアップトラックが主流であったが、ガソリン単価の高騰を受けて、さすがのアメリカでも小型車のトレンドがすでに出ているのはご存知の通り。また、最近の日経の報道を見ていると、今アメリカの世論は、自動車メーカーに対して非常に厳しい目を向けているようだ。環境対策を行わない企業に対しては、株主が厳しく経営陣に対策を要求するケースも出てきているようだ。さすがのアメリカも、昔のようにガソリンをガブ飲みするような車ばかりとう時代に、終止符を打った(?)ようである。
 よって、ゴーン社長が現在のトレンドや環境対策にもなる小型車の開発を望むのは自然なことと思うが、問題は非常に安い価格にしようとしていることだ。これは、兄弟関係にあるルノーさんのロガンという小型車が、同じような低価格戦略で、ロシアを中心に成果を上げていることも影響していると想像する。
 私が想像するに、この低価格車戦略をゴーン社長が本格的に日本やアメリカで展開した場合、部品メーカーさんや原材料メーカーさんは、決して歓迎しないだろうと思う。V字回復を達成した当時、日産さんの業績はもちろん非常によかったが、V字回復の主な源泉は、社内のコストカットやリストラ、工場の整理・閉鎖、系列の改革・整理・統合、そして部品メーカーさんへのコスト削減要求であったと理解している。この厳しい日産さんの要求に、日産さんとの取引を減らしたり、他の自動車メーカーの傘下に移り住んだグループ企業さへあった。
 低価格車となると、今まで以上にコスト的には厳しくなり、部品メーカーさん及び原材料メーカーさんへの圧力はあがる。再び彼等が、日産さんから遠のくようなことがないような方策を、是非検討して欲しいものである。たとえば、低価格車を実現するために新しい技術革新を達成したメーカーさんやコストダウンに大きく貢献したメーカーさんには、利益の一部をある程度還元したりといった具合である。

*提携・合弁事業推進
 業績低迷となると、提携や合弁というい話は、必ず出てくるといってよい。お互いにないものや足りない部分を補うことができる補間を実現できる提携や合弁は、やって意味があると思う。しかし、昨年大いに話題になったGMとの提携の模索などは、悪化する目先の業績も相まって、ゴーン社長の焦りさへをも感じる。短期・中期の業績回復も重要だと思うが、やるのであれば、長期的視点にも立ち、消費者にも社員にも、そして組むパートナーにとっても意味のある提携や合弁を模索して欲しいものだ。

*環境対策

 AFP通信の報道によると、3年以内に初のクリーンディーゼル車を北米市場に初投入する計画を発表し、まずは「マキシマ(Maxima)」にディーゼル・エンジンを搭載する予定で、日本、中国でも北米同様、2010年までに同様の車種を投入する計画だという。
 ハイブリッド車は、これまでのトヨタさんの実績から、環境対策には大きな意味があると思う。しかし、日産さんの場合は、今から本格的に全部開発するとなると、時間も費用も大きくなる。電気自動車用バッテリーの分野で、NECさんと共に歩むことを決めた日産さんではあるが、目先の業績が不調な日産さんにとっては、大きな投資を伴うこの選択はとり難い。
 それに対して、ディーゼルは日産さんにとってはやりやすい。何故ならば、兄弟のルノーさんの本拠地は、乗用車のディーゼル王国といってよい欧州市場にある。いまや、一般乗用車のエンジンとして、ガソリン・エンジンを凌いで、50%以上の車ディーゼルが搭載されているという欧州市場で長年ディーゼルエンジンを使っているルノーさんには、当然ディーゼルの使用に関して多くの実績とデータが揃っている筈。これを利用しない手はない。
 しかし、話はそんなに甘くはないと思う。日産さんの株式・株価の動向を追っている方は、日産さんのクリーン・ディーゼル開発の行方を、しかっり追っておく必要があると思う。
 AFP通信の報道によれば、投入を計画している新クリーン・ディーゼル・エンジンの燃費などは明らかにしていないという。燃費以上に私が気になるのが、その新ディーゼル・エンジンのNOx、PMなどの排ガスのレベルだ。すでに17日の投稿記事でご紹介したように、ホンダさんは’08〜’10年にかけて日本や欧米で、非常に厳しくなるNOx、PMの排出レベルに対応するための基本技術をすでに確立したようだ。中でも、アメリカで施行が予定されるTier−II、BIN5という排ガス規制のレベルは、世界で最も厳しいレベルになる。ホンダさんは、これにも適応できるレベルだと、昨年の秋に既に表明している。
 ルノーさんが持っている多くのデータを使って、これから日産さんがするべきは、それをそのまま日産さんの車に適応することではないと思う。是非、ルノーさんが保有する貴重なデータ蓄積を基盤として、トヨタさんやホンダさんをも凌ぎ、兄弟であるルノーさんでさへも舌を巻くような、画期的なクリーン・でイーゼル・エンジンを開発して頂きたい。


ブログラキング参加中。ワン・クリックお願いします。-->にほんブログ村 車ブログへ





posted by ミノチャゲ at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ニッサン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/39434042

この記事へのトラックバック