ついで、頑張っているのがデンソーさんである。営業利益は、いくつかの自動車メーカーさえ凌いでいるが、ボッシュさんとは、昨年度連結ベースの売上高で、依然として1兆円前後の差がある。
現在、この2社は、クリーンディーゼル車向けの部品開発で、鎬を削っている。
現在のクリーンディーゼルにおける主な課題は;
*エンジンに使う材料の高剛性化
*EGR(排気ガス再循環)システムのさらなる高性能化
*EGR量の増加
*排ガス処理装置の高性能化
*コモンレールの性能向上
などである。
これらの課題に上がっている関連部品のうち、コモンレールシステムで圧倒的な存在感を示しているのがボッシュさんで、それをデンソーが猛追しているというのが現状だ。
現在の欧州排ガス規制EURO4に対応するためのトヨタ・アベンシスのディーゼル・エンジンも、もしデンソーさんが180MPaの新しい燃料噴射装置を開発することができなかったら、EURO4への対応はできなかったのではないだろうか。
ボッシュさんは、すでに2007年以降、さらに高圧化して200MPaを実現できる新開発のピエゾ式燃料噴射装置を市場投入する計画があるそうだ。
現在、燃料噴射装置の市場は、独ボッシュさん、日デンソーさん、米デルファイさんなどによって、寡占状態にあると言ってよい。
しかし、日米欧で数年以内により厳しい排ガス規制が予定されているこの時期、他の燃料噴射装置のメーカーにとっても、これはチャンスなのではないだろうか。いち早く開発に成功し、よりNOxやPMの低減に効果があるシステムを開発できれば、業界地図が変わってくる可能性もあるのではなだろうか。
日本で燃料噴射装置を製造しているのはデンソーさんだけではない。三菱電機さん、ケーヒンさん、日立製作所さん等も、この部品を手がけておられる。
長年、自動車の電子制御などで革新的な技術を市場に送り出してきたボッシュさんには敬意を払う。しかし、近い将来、日本の「ものづくり」の精神が、巨人ボッシュさんをも凌駕するシステムを開発することができると信じたい。
自動車業界各社の株式の動向を追っている皆さんにとっても、新しい高圧燃料噴射装置の開発を目指している会社は大注目だと思う。新規の排ガス規制に合わせて、日本市場が特に嫌うPM(煤煙)の量が大幅に低減できる技術が開発されると、日本市場向けのカローラやアコードにもディーゼルエンジンが復活する可能性があるので、ウォッチングし続けて損はないはずです。
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