私は、トヨタさんの社員ではないが、大学卒業以来、自動車業界と常に関わりのあるところで仕事をし続けてきた私にとって、同じ日本人として嬉しくない筈がない。
************************関連記事************************
*******************************************************
この関連記事にある通り、売上高が23兆円超、営業利益が2兆円超。純利益でも1兆円を遥かに超えるのであるから、すごい。利益ではホンダさん等の2倍以上である。
トヨタさんの強みは、やはり縮小し続ける日本の自動車でも一定以上のシェアーを確保し、尚且つ環境対策の柱であるハイブリッド車が日米で売れ、燃費や故障の少なさで定評のある小型車も世界的によく売れていることが大きいのだろう。
しかし、今後も成長して行く上で、トヨタさんには不安材料は全くないのであろうか........(追記へ続く) トヨタさんの今後の成長において、障害になりえる要素として、以下のようなものがあると考えている;
1.賃金、福利厚生
トヨタさんの社員の皆さんが、他の自動車メーカーと比べて高額な給与を得ていることは、各社の報道ですでに有名である。
各社の報道から推測される違いとして、もしトヨタさんで年収800万円くらいもらっている社員の方がいるとすると、その人と同じくらいの年齢で、同じような仕事をしているスズキ自動車さんの社員の方は、650万円を切っているのではないかと思う。業績に大きく貢献している社員に対価を支払うのは当然ことであるが、今後の更なる成長のための投資にも、トヨタ首脳陣は少しでも多く資金を用意しておきたい筈である。
あとは、福利厚生や社員の健康保険なのど問題だ。高齢化社会に向かう日本において、保険等の負担は重くなる一方だろう。もうすぐトップの座をトヨタに譲ることになるであろうGMが実際に、こういった社員への保障に関わる費用が、業績悪化の原因の一つとなっているだけに、熟練工の再雇用や外国人労働者の雇用などのと合わせて、保険費用の対策は、余裕のあるこの時期からドンドンやっておかなくてはならないだろう。
2.新興市場でのシャアUP
自動車業界のマーケティングなどを得意とする大手コンサルティング企業各社は、トヨタさんはこの先5年以上に渡り、引き続き新興市場でも存在感を増し続けると予測している。
しかし、MARUTI(スズキ自動車)さんが市場の40%以上を占有しているインド市場では、昨年度はホンダさんが急成長し、トヨタさんを抜いて、インド市場5位を獲得した。昨年インドでは、ホンダさんに比べてトヨタさんの新車投入が少なかったことも影響しているが、抜かれたことは事実であり、トヨタさんとしても暢気に構えていることはできない筈。今年以降、巻き返し策を出していかねばならないだるう。タイ市場の場合は、ピックアップトラックが好まれる市場環境にあって、トヨタIMVといすゞD−Maxがその市場を2分しているのが現状だ。
新興市場においては、現地のニーズにあった車の開発も重要だろう。そういう意味では、タイに設立したような新興市場現地の研究施設を大いに生かして、現地スタッフの鍛錬する場を増やし、将来は現地の研究所単独でも、ニューモデルの開発を行える素地を今から準備しておく必要があろう。
3.トヨタグループのバランス
トヨタさんの家族、即ちデンソーさんを筆頭に、名古屋圏に燦然と輝く優秀な部品メーカーさんとの関係は、今後の技術開発や、更なるグローバル化のために、欠くことができない要素であることは言うまでもない。
しかし、今やトヨタ・グループに属する部品メーカー各社の中には、他の自動車メーカーとの取引総額の方が、トヨタさんとのそれを、上回ってしまっているメーカーが存在する。デンソーさんは、正にそのケース。トヨタさんとしては、自分の可愛い息子や娘が、競合相手と仲良くなりすぎて、技術的ノウハウが流出してしまうという危険に、常に曝されているわけである。営業利益が、スズキさんやいすゞさんなどを凌ぐデンソーさんの場合などは、同じグループの会社でありながら、規模の面でも技術の面でも、トヨタさんの競合メーカーと言ってもよい存在にのし上っている。
かといって、グループ各社がトヨタさん以外のメーカーと全く付き合えなくなってしまうと、トヨタグループ全体の業績は縮小してしまうというジレンマに陥る。
これからも、パワーユニットの高性能化や環境対策、ITS関連の開発など、膨大な資金を投じて取り組まなければならない課題が沢山ある。トヨタさん単独では、もはやのり越えられない課題が山積みである。
グループ企業各社とは、つかず離れずの関係を旨く保ち、将来確実にコアになる技術はトヨタさん自身が手がけて、そうでない部分は、グループ各社と協力しながらやっていかざるを得ない。そのバランス感覚を常に持ち続けることは、トヨタさんの宿命とも言うべき課題であろう。
4.環境対策
あらゆる技術課題の中で、この課題が一番大きな比重を占めてくるだろう。地球温暖化の対策や益々厳しくなる一方の排ガス規制に対応する技術開発はマストである。
4.1.ハイブリッド
現在、世界のハイブリッド市場に君臨するトヨタさんであるが、すでに世界各国のメーカーが開発に名乗りを上げている。その中で、トヨタさんが一番気にしているのは、やはりホンダさんであろう。ガソリン・エンジン、ディーゼル・エンジンとも、ホンダさんのエンジンは燃費に定評がある。元々燃費のよいエンジンをハイブリッド化して、さらにフィットのように、車内空間を十分に確保して、尚且つトヨタさんよりも廉価なハイブリット車をホンダさんが市場に出すようなことがあったら、トヨタさんとしても、いまの地位を保ち続けるために、更なる対策を打たねばなるまい。
4.2.クリーン・ディーゼル・エンジン
今後、トヨタさんがディーゼル王国の欧州圏で成長していくためには、今以上に環境性能を上げたターボ・ディーゼルの開発はマストである。今現在欧州で販売しているアベンシスのターボディーゼルエンジンでは、近い将来施行される新しい排ガス規制には対応できなくなるであろう。
欧州の次期排ガス規制、EURO5には、適応できる目処がついたようであるが、ホンダさんは、EURO5以上に排ガスの排出規制が厳しい米Tier−II BIN5に既に適応できる目処をつけている。
今後、クリーン・ディーゼル・エンジンは、既に乗用車の5割以上に普及している欧州圏だけではなく、バイオ・ディーゼルの普及が推進されているアメリカ市場でも一定のシェアーをとっていく可能性が高い。さらに、日本でもポスト新長期規制に合わせて、2010年当りから、再びディーゼル・エンジンを搭載した乗用車が復活してくる可能性がある。
このまま、ホンダさんにリードされた状態が続き、さらに別の競合メーカー(特に欧州勢)がホンダさんと同等あるいはそれ以上の環境性能を有するターボディーゼル・エンジンを開発してしまうと、2015年頃にさらに輪をかけて厳しくなると予測される排ガス規制が出てくるころには、手遅れという事態もありえるだろう。
今のうちから、ホンダさんをはじめ、世界の競合相手に負けない、より一層クリーンなターボ・ディーゼル・エンジンの開発が急務と思われる。いすゞさんとの提携は、ある意味、ホンダさんの新ターボ・ディーゼル・エンジンに対抗するための秘策を早期に実現するためのショート・カットという見方もできる。トヨタ/いすゞ連合から、どんなアウトプットが出てくるのか、今から楽しみにしておきたい。
************************関連記事************************
*******************************************************
ブログラキング参加中。ワン・クリックお願いします。-->
テクノラティ:車、転職、株




