「‘05年度まで5年連続で当期純利益の過去最高を更新してきたが、6年連続の記録達成はかなわなかった」
とのことである。
さらに、今年は円高が進行することが予測され、ホンダさんは‘08年3月期の連結営業利益(米国会計基準)を前年比9.6%減の7700億円とする見通しを発表している。
アメリカや欧州などで売れ行きは好調であるが、実際に円高に振れれば、収益に確実に響く。過去の事例も考えると、実際に円高が進めばホンダさんの株価にもネガティブな影響が出るだろう。
中国市場の激戦状態なども考慮すると、これから先の一年、短期的には明るい材料を見出し難い状態が続くだろう。しかし私の意見としては、中・長期的に見た場合、ホンダさんには、まだまだ明るい材料が揃っていると思う。具体的には.....
(1)ハイブリッド
この分野、現時点では、トヨタさんに大きく差をつけられているホンダさんではあるが、‘09年または’10年の新ハイブリット車の開発に向けて努力されていることと思う。私が期待しているのは、ホンダさんならフィットやシビックのような比較的小さな車にもマッチする小型ハイブリットユニットの開発を成功させてくれるのではないか、という点だ。
トヨタさんは、ハイブリット車で一定の成功を収めている。もちろん、これからもトヨタさんがリードする状態はしばらく続くだろう。しかし、トヨタさんでさえ、ヴィッツ・クラスへのハイブリット適応は出来ていない。コストが掛かるし、現行のハイブリットユニットがまだ大きい影響で、搭載したとしても、十分にインテリアとトランクのスペースを確保できないのではないだろうか。
ホンダさんのガソリンエンジンは、燃費のよさでは非常に定評がある。元々燃費のよいエンジンに小型化が実現されたハイブリットユニットが搭載されたら、これがトヨタさんにとって大きな脅威にならない筈はない。現在、ホンダさんのハイブリット技術は、現時点でシビックに適応されているが、ハイブリット・ユニットの小型化という点では、まだまだ発展途上であろう。
これまでの各メディアの報道から考えて、ホンダさんは、‘09年か’10年に新型のハイブリット車を発売するだろう。トヨタさんに対抗するためにどのような技術を持ち込んでくるのか、今から非常に楽しみである。
(2)ターボ・ディーゼル
すでに一般乗用車の5割以上にディーゼルエンジンが搭載されている欧州市場において、トヨタさんに先んじてディーゼルエンジンを搭載したアコードやシビックを販売してきたホンダさんは、早くから乗用車用のターボ・ディーゼルエンジンの開発に取り組んできている。現時点の環境技術の柱をハイブリット車中心にしているトヨタさんとは、一線を画する。
そのような中、‘06年の秋、ホンダさんは、ディーゼルエンジンには欠かせない排ガス処理装置で、画期的なNOx処理触媒を発表した。ここしばらくの間、世界で最も厳しい排ガス規制は、米Tier−II BIN5になりそうだ。まだ世界中のどのメーカーでも、一般乗用車クラスで、この厳しい規格に対応できる技術があると明言しているところはない。現時点では、唯一ホンダさんだけが、昨年秋発表した新技術によりTier−II BIN5に対応できる基本技術を確立したと発表している。
Tier−II BIN5が、ホンダさんの大きな収益源になっているアメリカの規格であることも考えると、宣伝効果も相まって、このリードは非常に大きいと思う。もちろん、基本技術は確立していてもコスト面の改善など、まだまだ手直しが必要な部分があるのであろう。他社よりもリードしているマージンをうまく利用して、世界初のディーゼルエンジン技術を適応したアコードやシビックがここ数年の間にリリースされることを望む。
(3)航空機事業
昨年秋、ホンダさんは航空機市場(ビジネスジェット市場)への本格参入を発表している。米GE(ゼネラルエレクトロニクス)さんと共同開発したエンジンの売りは、やはりホンダさんのお家芸である「燃費のよさ」だ。GEさんにとっては、最良のパートナーを手にしたことにもなる。
ノースカロライナ州に工場を有するホンダエアクラフトカンパニーが、本格的にHondaJetの発売開始を行うのは、‘10年とのことであるが、昨年予約を受け付けたときには、予定している1年分の販売数を上回る受注数を、わずか一日で達成したそうだ。
当面は、アメリカ市場に集中すると思われるこの新規事業。私が個人的に楽しみにしているのは、アメリカで確固たる地位を築いた後のホンダエアクラフトカンパニーの次なる一手である。最近の航空機産業では、インドや中国からも新興勢力が出てきている。ホンダさんが、ジェットエンジンでも、アコードやフィットのように高い性能・耐久力と燃費のよさといった付加価値を、他社よりも高いレベルで維持できるのであれば、新興勢力やその他のメーカーが低価格路線などで攻めてきても、一定の市場シェアをとることができるのではないだろうか。
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