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新日本製鉄と鉄鋼業界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルグ)が提携を強化するとの発表を報道各誌が報じている。
このニュース、日本の自動車業界にとっては、一見朗報のように思える。
しかし、自動車用鋼板の場合、薄くしても強度を保てる技術は、日本が一番高い技術を誇っていると言われている。
新日鉄としては、ミタルと提携することで、自社の高い技術で生産された製品を、世界規模で安定供給できるという点では、魅力のある提携といえる。
しかし、その反面新日鉄は、自社の高い技術がミタルにコピーされてしまうという危機感を常にもっているだろう。
まさに、両刃の剣といったところだろう。
逆に考えれば、新日本製鉄がミタルと対等にわたり合えるのは、彼らがミタルにはない高い技術を持っているからだと思う。
会社の規模ではミタル側が圧倒的優位にある。しかし、ミタルとしては、新日鉄と組むことで世界最高水準の鋼板製造技術を吸収したいという思いがあろう。
日本の自動車メーカーさん達にとっては、日本で使用しているのと同じ品質の鋼板が世界的に入手しやすくなり、カローラ、アコード、マーチなど世界的に生産/販売している車種の品質統一に繋がるわけで、新日鉄とミタルの提携は、基本的には歓迎するだろう。
しかし、新日鉄さんの高い鋼板技術ノウハウを、提携相手のミタル側が完全に吸収するようなことがあったら、高い技術で作られた鋼板が、ライバルである欧米のメーカーにも行き渡ることになり、日本の自動車メーカーにとっても、やはり両刃の剣となる。
ミタルの世界的規模拡大と、日本の自動車業界から要望が強い世界的に日本と同じ鋼板を供給してほしいというニーズの挟間で、新日鉄やJFEスチールの皆さんは、世界規模の提携相手との関係において、微妙なバランスをとらなければいけない状況を、これからも続けなければならないだろう。



