世界のどの自動車メーカーにとっても、成長が続く中国市場の重要性は増す一方であることに間違いはない。
しかし、中国政府としては、これを手放しで喜んでばかりはいられないだろう。北京オリンピックまでの課題として大気汚染の改善は非常に重要視されているようであるが、その改善を重視する姿勢は、オリンピック終了後も持ち続けてもらいたいものだ。
中国の経済成長は、まだまだ続きそうだ。あれだけの人口をかかえる国の国民が、日本のように、どの家庭でも一台保有するようになったらどうなるだろうか?今の車のCO2排出量が変わらないままだと、その大気汚染は日本にも及ぶ可能性がある。
島根県など、これまで公害とは無縁と思われていた地域の夏場に、光化学スモッグが発生したことは記憶に新しい。その原因が、黄砂同様に中国から偏西風によって運ばれてきた大気汚染である可能性が指摘されている。中国政府としても、日本との政治問題に発展する可能性を懸念している筈だ。
中国政府が、トヨタさんやホンダさんに対して熱いラブコールを送っていることは容易に想像できる。ハイブリット技術など、環境対策車の開発で世界の最先端を行っている日本の自動車メーカーが、より一層中国でこのような最新の車を生産することを望んでいると思われる。これに対して、日本の自動車メーカーは、最新技術の塊のような車を、全面的に中国でつくることには抵抗がある筈。労働コストが下がれば、それはそれでメリットだが、知的財産の保護という点でまだ多くの問題が指摘されている中国であるから、慎重にならざるを得ない。
トヨタさんやホンダさんは、自社技術の漏洩防止以上に、主要部品メーカーが中国で生産する部品の種類にも神経を尖らせている筈。デンソーさん、ケーヒンさん、日立製作所さん、アイシンさんなどが手がける電子部品やハイブリット車の中核部品を、全部中国で生産することには、自動車メーカーさんとしては神経を使うところであろう。
中国の環境問題が日本の国土の環境にも影響する可能性があるだけに、技術移管と技術保護のバランスをどうとっていくかが、今後の日本の自動車産業の大きな課題の一つと言えるかもしれない。
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